国際協働のヒント

輸出入の規制や検疫

2025.10.10

作品や資材を海外へ輸送する際は、それぞれの国の規制や検疫制度について把握しておくことが重要です。たとえばオーストラリアでは、自国の生態系や農業を守るための厳格な検疫制度が設けられており、木材や植物由来の素材、土が付着したものなどには特に注意が必要です。また、オーストラリアに限らず、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)に基づき、動物の毛皮や牙などを用いた作品を持ち込むことが困難であったり、輸送の手続きが煩雑になったりするケースもあります。

美術品輸送の場合、専門業者に輸出入の手続きを依頼することが多いため、実務上の対応はある程度任せることができますが、事前に輸送先の国の輸出入に関する規制や検疫制度について基本的な知識をもっていると、作品や展示計画の初期段階で代替案を検討したり、リスクを回避したりする判断がしやすくなり、結果的によりスムーズなプロジェクトの推進につながります。

Point!

輸出入に関する規制や検疫は国によって異なるので要確認。