国際協働のヒント

歴史的・社会的文脈の認識・配慮

2026.01.23

国際協働を進めるうえでは、現地の歴史的・社会的文脈に関連するテーマや表現を扱うにあたり、慎重を期す必要があります。特定の時代背景や歴史的出来事は、現在の社会状況や世代によって認識が異なることがあり、外部の視点から安易に語ることで誤解や不信感を招く可能性もあるためです。だからこそ、こうしたテーマを丁寧に扱うことは、プロジェクトの意義や作品の背景を正しく伝え、現地との信頼関係構築につながります。

JUMPでも、各地でのリサーチやウェブサイトで発信する記事において、ポルトガルの航海と植民地化の歴史、オーストラリアのアボリジナルに関連する政策や表現、ロサンゼルスにおける移民の歴史など、その土地固有のテーマに触れる機会が多くあります。このようなテーマを扱う際は、歴史的事実としてだけでなく、現在の評価や認識、現地の人々がどのように受け止めているのかという視点を、現地の人に質問し、確かめながら行っています。とりわけ、その土地に住んでいない私たちがそのような内容に触れる場合は、一層慎重な態度が求められます。

ウェブサイトや印刷物で発信する場合には、ファクトチェックも重要です。歴史的事象の説明は、資料ごとにニュアンスが異なるため複数の情報源を確認する必要があります。英訳を行う際も同様で、単語の選択ひとつでニュアンスが変わるため、信頼できる翻訳者やネイティブスピーカーに確認を依頼することで、誤解を避けることができ、発信内容の精度と信頼性を高めることにつながります。

それでも「100%正しい」と言い切るのは難しく、情報源によるニュアンスの差や現地の認識の多様性は常に課題となります。そこで、「~とされている」「複数の資料によると」など、断定的な表現を避けたり、確認プロセスを明示したりすることは有効です。

Point!

歴史や社会情勢に関する事柄は、複数ソースによる事実確認や現地の視点を取り入れる。